おばけのジョージー
2022-09-01
9月の絵本
9月の絵本おばけのジョージ―ロバート・ブライト:作・絵 光吉夏弥:訳 福音館書店 |
おばけのジョージ―は、毎晩決まった時間に会談をみしりと言わせ、広間のドアをギ―と言わせます。それを合図に、住人は寝る時間を知り、猫やフクロウはそれぞれ活動の時間が来たことを知ります。ところがある日、ホイッティカーさんが「ふと、おもいついて」階段にくぎを打ちドアに油をさしたので、まあ大変! みんなは時間がわからなくなり、ジョージ―は新たに住む家を求めてホイッティカー家を出ることになります…..
ロバート・ブライトが奥さんと子どもに描いたというこの絵本は、ペンを使用してデッサンのような線で描かれています。黒一色であることが効果を生み、私たちをおばけの住む深い暗闇の方へと導いてくれます。そして訳は光吉夏弥さん。「ひとまねござる」(おさるのジョージで皆さんご存じですね。)「はなのすきなうし」「おかあさんだいすき」など、岩波の絵本の歴史を支える第一人者であられる方です。必要な語を必要なだけ伝え、あとは子どもたちの創造の中で話を膨らませる、そんなところまで計算されているような気がする作品です。