図書

4月の絵本

だいいちへいわ 図書

だいじだいじどーこだ?

遠見才希子:文
川原端丸:絵
大泉書店

おちんちんのえほん

山本直秀:文
佐藤真紀子:絵
ポプラ社

 2月18日の「子育て講座」では、「自分を大切に生きる~子どもたちが自分の人生を生きていくために大切な「性」のこと」という題目で、助産師の加藤睦さんのお話を伺いました。その中でご紹介いただいた幼児~小学生向きの絵本です。
「性教育」というとどうも苦手意識を持ちがちな大人達ですが、子ども達は素直にまっすぐ様々なことを受け止めていきます。「性教育」の根本には、自分を大切にすること、相手を尊重することなど、愛情や人権との深い関わりがあります。その気づきの一歩として、これらの絵本を活用できると良いと思います。
 保育園にもありますので、貸出し希望の方は職員室にお立ち寄りください。

こどもに聞かせる一日一話

だいいちへいわ 図書

3月の絵本

こどもに聞かせる一日一話

福音館書店母の友編集部 編
定価 : 1,650円(税込)
ページ数 : 88ページ
サイズ : 22×16cm
初版年月日 : 2022年09月10日
ISBN : 978-4-8340-8674-4

 私が保育の世界に入り子どもたちと一番に楽しんだ素話は、東京子ども図書館編の「おはなしのろうそく」でした。当時はまだ10巻までしかありませんでしたが、現在31巻となって、より様々なお話が子どもたちを楽しませているようです。
 素話とは、話し手が話を覚えて、本を見ないでお話することです。子どもたちの表情がよく見えるとともに、こちらの表情や声の調子も良く伝わるので、読み手と聞き手が同じ世界を旅していく感覚を覚えます。話を覚えるのは大変ではないかとよく言われましたが全くそんなことはありませんでした。なぜなら、文章そのものが美しく、すうっと心に入って来るものだったからです。
 今回紹介する「子どもに聞かせる一日一話」は、覚えなくても大丈夫です。夜、布団の中に入ってから、1話をゆっくり読んで聞かせてあげるのにぴったりでしょう。魅力的な言い回しの言葉やリズムは、子どもたちの方が覚えて繰り返すかもしれません。そのうち子どもの素話に大人が寝付いてしまうかもしれませんね。

2月の絵本 しずかなおはなし

図書

しずかなおはなし
サムイル・マルシャーク 文 / ウラジミル・レーベデフ 絵 / うちだ りさこ 訳
福音館書店
初版年月日:1963年12月20日
ISBN:978-4-8340-0017-7

 静かな森の夜のお話ではありますが、「息をひそめ」「声をひそめ」ながら緊張感いっぱいの場面が続くお話です。
 主人公ははりねずみの親子。まだまだ坊やは小さくて森の恐ろしさもしりません。夜の散歩に出かけたはりねずみの親子は狼に襲われます。坊やに「まるくおなり!」「うごかないで!」と必死に身を守る技を伝えるおかあさん。でも狼たちは坊やの周りで唸ってみたりつついてみたり。おとうさんおかあさんの反撃にも狼たちはあきらめません。そんな時、猟師の猟銃の音と犬の吠える声がし、ようやく狼たちはその場から逃げていくのでした。
 ロシア語訳の内田莉莎子さんは「てぶくろ」「おおきなかぶ」でお馴染みですね。寒そうな冬のロシアの風景が感じられる作品ではないかと思います。

かみさまへのてがみ

図書

かみさまへのてがみ
谷川俊太郎:訳
葉 祥明:絵
株式会社サンリオ

 保育園の生活の中で、いろいろな場面で子どもたちとお祈りをします。私が初めてお祈りについて子どもたちに話すとき、子どもたちに伝えるのは「お祈りは神さまとお話すること」だということです。嬉しいこと、悲しかったこと、時には願いが祈りにこめられることもあるでしょう。どんな時も、祈りには祈る者の思いが宿ります。
 一年の初め、日本では年賀状を書きます。そしてまた長いこと、手紙によってつながり合う文化がありました。この手紙に綴る思いは祈りにつながるのではないかと思います。「かみさまのてがみ」の中には、様々な国の子どもの素直な思いがそのままの形で書かれています。きちんとした文に整えられているわけではありませんが、どの子も神さまを近い存在として語りかけているのを感じます。クリスチャンではない谷川俊太郎さんが生き生きと訳してくださっているところも興味深いところです。

2ひきのかえる

図書

作者名
にいみなんきち

しまだ・しほ
価格
1,518円 (本体1,380円 + 税10%)
ISBN
978-4-652-20332-3

「ごんぎつね」や「てぶくろをかいに」でおなじみの新見南吉さんのお話です。
このお話にはきいろとみどりの2匹のかえるが出てきますが、どちらが美しいかを競い合ううち喧嘩になってしまいます。けれども季節は寒い冬。冷たい風が吹いて冬眠の準備に入るため、カエルたちの喧嘩は一旦おあずけになります。
 やがて春がやってきました。かえるたちは目覚め、美しい春の中で準備を始めますが、お互いに「もうけんかはよそう」と言い合います。そして、最後のページにひとこと『よくねむったあとでは、にんげんでもかえるでも、きげんがよくなるものであります。』と作者の言葉が加えられのです。
 ウクライナ大統領夫人ゼレンスカさんが、かつてあるプロジェクトに参加した際、この絵本を朗読されたそうです。現在のウクライナ情勢を思います。エゴを捨てることにより、かえるも人間も本当の幸せを手にすることができるのかもしれません。

ママ、ママ、おなかがいたいよ

図書

10月の絵本

ママ、ママ、おなかがいたいよ

レミイ・シャーリップ 文・絵
バートン・サプリー 文 / つぼい いくみ 訳

影絵のように、切り絵タイプに人物のシルエットが切り抜かれている画風です。表情が描かれていない分、子どもたちの想像力はいっそう掻き立てられていくようです。

「せんせい せんせい、だいしきゅう きてください!」
まあ、大変!ぼうやのお腹は太ってまんまるまる。痛い痛いと大騒ぎです。お母さんは慌ててお医者さんに往診を頼みます。坊やの膨れたお腹の中から出てきたものはというと…?

次々出てくる食べ物、はきもの、動物、自転車…。「そんなの食べられないよー。」と言いながら、楽しそうに顔を見合わせて楽しめる絵本です。

カテゴリ: 絵本
定価: 1,760円(税込)
ページ数: 44ページ
サイズ: 20×26cm
初版年月日:2012年05月01日
ISBN: 978-4-8340-0861-6
シリーズ:世界傑作絵本

おばけのジョージー

図書

9月の絵本

9月の絵本

おばけのジョージ―


ロバート・ブライト:作・絵
光吉夏弥:訳
福音館書店

おばけのジョージ―は、毎晩決まった時間に会談をみしりと言わせ、広間のドアをギ―と言わせます。それを合図に、住人は寝る時間を知り、猫やフクロウはそれぞれ活動の時間が来たことを知ります。ところがある日、ホイッティカーさんが「ふと、おもいついて」階段にくぎを打ちドアに油をさしたので、まあ大変! みんなは時間がわからなくなり、ジョージ―は新たに住む家を求めてホイッティカー家を出ることになります…..
ロバート・ブライトが奥さんと子どもに描いたというこの絵本は、ペンを使用してデッサンのような線で描かれています。黒一色であることが効果を生み、私たちをおばけの住む深い暗闇の方へと導いてくれます。そして訳は光吉夏弥さん。「ひとまねござる」(おさるのジョージで皆さんご存じですね。)「はなのすきなうし」「おかあさんだいすき」など、岩波の絵本の歴史を支える第一人者であられる方です。必要な語を必要なだけ伝え、あとは子どもたちの創造の中で話を膨らませる、そんなところまで計算されているような気がする作品です。

やぶかのはなし [8月の絵本]

図書

やぶかのはなし


栗原毅:文
長 新太:絵
福音館書店

 ブーン、チクン! 「かゆ~い~」「また蚊に刺されちゃったよ~」
 日本の夏は、蚊に悩まされることが多いですね。特に子どもたちは体温も高く、多くの蚊が寄ってきます。刺されると固く腫れてしまうこともあり、痒みも相まって、我慢できずに搔きこわしてしまうこともあるでしょう。とびひにも注意です。
 だからと言って、蚊には蚊の事情(生態)があります。この絵本の作者は、蚊の味方でも敵でもなく、客観的に蚊の姿を読み手に伝えてくれています。お話を追いかけていくうちに蚊への理解が深まり、人間を刺す蚊に対する見方も少しは変わってくるかもしれませんね。雄と雌の違いを知り、それぞれが何を必要としているかも丁寧に説明されているからです。
 さて、蚊における理解は深まっても、刺された時の対処は変わることはありません。蚊に刺された時は、すぐに流水で患部を洗い流して冷やしましょう。痒みが早くとれますよ!

ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?

へいわ1 図書

ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?
しもかわら ゆみ:さく
講談社

 デビュー作の「ほしをさがしに」同様、しもかわらさんの描く動物たちの毛並みの優しい感触が伝わってくる絵本です。
 ねずみさん、うさぎさん、たぬきさんにきつねさん。それぞれの動物の微妙な毛の硬さ具合や毛並みの流れに、ついつい目が奪われていきます。お話はシンプルで、小さいこどもたちも心を合わせて読み進められます。少し大きくなった子どもは、擬音のもたらす言葉の表現もお気に入りになることでしょう。
 2013年デビューの作家さんの作品ですが、小さい頃に出会ったような懐かしい香りのする絵本です。雨の続く梅雨の季節に、雨の音を聞きながら読んでみてください。

できるかな? あたまからつまさきまで

図書

6月の絵本
できるかな? あたまからつまさきまで

エリック・カール さく
くどうなおこ やく
偕成社
「はらぺこあおむし」でお馴染みのエリック・カールの作品です。装丁をごらんになれば、本屋さんで目にしたことがあるのを思い出していただけるかと思います。
この絵本ではいろいろな動物たちが、その動物特有のポーズで登場します。そしてそのポーズを真似る人間との構図が繰り広げられます。エリック・カール独特の切り絵画法が生きている絵本のひとつです。
保育園では絵本に合わせて絵本歌のCDを購入しました。保育者と一緒に体操や表現あそびとして活用しています。個性的な動きの動物さんたちいっぱいの楽しいひと時です。

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